Osteoporosis

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の密低下し、骨の中がスカスカになってしまう状態で、些細な衝撃でも骨折しやすくなる病気です。
この病気は自覚症状がないまま進行することも多く、痛みを感じなくても、レントゲンや骨密度検査などで「骨折しやすい状態」と判断されれば診断されます。私たちの骨は、一生を通じて古い骨が壊され(分解)、新しい骨が作られる(合成)サイクルを繰り返しています。しかし、特に高齢者、中でも閉経後の女性では、この骨の合成能力が低下し、分解が進むことで骨量が減少していきます。50歳以上の女性の2割以上が骨粗鬆症の状態にあるとも言われ、骨の強度低下により、背骨(脊椎圧迫骨折)、太ももの付け根(大腿骨頸部骨折)、腕の骨などが折れやすくなります。

骨粗鬆症の原因

  • 年齢と骨の変化

    骨の密度は、女性の場合、概ね18歳頃にそのピークに達します。その後、40代半ばまでは比較的安定した状態を保ちますが、50歳前後からその密度は緩やかに低下していく傾向にあります。この加齢に伴う骨密度の減少は、単に女性ホルモンの分泌が減るだけでなく、腸でのカルシウム吸収能力の低下や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの体内生成効率が落ちることも関連しています。
    また、若い頃に比べて食事量が減ったり、活動量が低下したりといった日々の習慣の変化も、骨の健康に影響を与えます。年齢による骨の変化は避けられない部分もありますが、若年期からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけることで、その進行を遅らせることは可能です。

  • 女性ホルモン低下の影響
    (特に閉経後)

    粗鬆症は女性に特に多く見られる疾患であり、患者様の8割以上が女性であると言われています。これは、女性の体内で重要な役割を果たすエストロゲンというホルモンが大きく関与しているためです。
    エストロゲンは、骨の古い部分が吸収されるプロセスを穏やかにし、骨からのカルシウム流出を抑制する働きを持っています。
    そのため、閉経期に入りエストロゲンの分泌が急激に減少すると、骨密度も急速に低下する傾向が見られ、同年代の男性と比較して骨がもろくなる時期が早まることにつながります。

  • 生活習慣の影響

    栄養不足は、骨粗鬆症のリスクを高める主要な要因の一つです。特に成長期に極端なダイエットをすると、将来の骨密度に悪影響を及ぼす可能性があります。
    また、外出機会が少ない方や、体を動かす習慣がない方も注意が必要です。骨は、適度な負荷がかかることで骨を作る細胞が活性化されるため、運動不足は骨の衰えを早めます。その他、喫煙や過度な飲酒も骨粗鬆症のリスクを高める習慣です。これらは加齢や閉経とは異なり、ご自身の意思で改善できる要素です。骨粗鬆症の予防のためにも、今日からできる生活習慣の見直しを始めましょう。

  • 特定の病気や薬の影響

    特定の疾患や、現在服用している薬剤が原因となって発症する二次性骨粗鬆症も存在します。原因となる代表的な病気としては、副甲状腺機能亢進症のような内分泌系の異常、関節リウマチ、さらには糖尿病といった生活習慣病も比較的高い頻度で関連が指摘されています。
    これらの病態では、骨の代謝に関わるホルモンのバランスが崩れたり、骨形成に必要な細胞機能に問題が生じたりして骨密度が低下するケースもあれば、骨の内部構造が劣化し、もろくなってしまうこともあります。
    また、薬の副作用による骨粗鬆症では、ステロイド薬の長期使用が特に知られており、注意が必要です。

骨粗鬆症でよく見られる症状

骨粗鬆症は、進行しても自覚できる痛みを伴わないケースが一般的です。しかし、その状態は骨がもろくなっているため、転倒などのわずかな衝撃でも骨折しやすくなります。特に骨折が起こりやすい部位としては、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、そして太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などが挙げられます。もし骨折が生じてしまうと、その部位に強い痛みが現れ、動かすことが困難になります。また、背中や腰の痛みをきっかけに、背中が丸くなったり、身長が縮んだりすることも、骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折を示唆する症状です。

骨粗鬆症の検査方法

  • 問診

    骨粗しょう症の診断に際し、医師がいくつかご質問をいたします。現在の症状に加えて、既往歴、女性の場合は閉経の時期、普段の食事内容や運動の頻度、生活のリズムなど、お伺いする内容は多岐にわたることがあります。これらの情報は、診断を正確に行うための重要な判断材料となります。

  • 骨密度検査

    骨の強度を評価する上で重要な基準となるのが「骨密度」です。当院では踵の骨に超音波をあてて骨密度を推測します。検査結果は、若年成人の平均的な骨密度を100%とした場合、ご自身の骨密度がどの程度の割合になるかパーセントで示されます。

  • レントゲン検査

    X線検査(レントゲン)を用い、主に背骨(胸椎・腰椎など)や股関節の撮影を行います。これにより骨折の有無、骨の変形、骨粗しょう症の兆候などを評価します。また、骨粗しょう症と他の疾患とを正確に識別するためにも重要な検査となります。

  • 血液/尿検査

    血液検査や尿検査で測定する「骨代謝マーカー」は、骨の生まれ変わりのサイクル(骨代謝)がどの程度の速さで進んでいるかを知るための指標です。特に、古い骨が壊される過程(骨吸収)を示すマーカーの値が高い方は、骨密度の低下が速い傾向にあり、現在の骨密度値とは別に骨折リスクが上昇している可能性があります。

骨粗鬆症の治療法

  • 食事療法

    骨粗鬆症の予防や治療の基本は、バランスの取れた食事です。適切なエネルギー量とタンパク質を確保し、様々な栄養素を摂取することで、適正体重と筋肉量を維持することが重要になります。
    特に、骨の主要な成分であるカルシウム、そのカルシウムの吸収を助けるビタミンD、そしてカルシウムが骨に定着するのを促すビタミンKは、意識して積極的に食事に取り入れたい栄養素です。

  • 運動療法

    骨を強くするためには、骨に適度な負荷をかける運動が効果的です。一般的に、ウォーキングや水泳のような運動でも継続することで骨への良い影響が期待できます。例えば、バレーボールや軽い重量挙げのように、より大きな力が骨に繰り返し加わる運動ほど、骨を強くする効果が高いことが分かっています。しかし、無理に激しい運動をする必要はありません。ご自身の体力や健康状態に合わせ、継続できる範囲で日常的に体を動かすことが、骨の健康維持には何よりも大切です。

  • 薬物療法(注射も含む)

    骨粗しょう症の薬物療法には、内服薬だけでなく注射による治療法も重要な選択肢です。治療薬は進歩を続け、患者様一人ひとりの状態に合わせた多様な薬剤が登場しています。より強力な骨密度増加が見込めるものや、投与間隔・薬の形状(剤形)を工夫し、治療を続けやすくしたものもあります。いずれの薬剤も、安全かつ効果的に治療を進めるためには、定められた用法・用量を守ることが不可欠です。薬剤ごとに使用タイミングや注意点が異なりますので、医師や薬剤師の説明を十分に理解し、その指示に必ず従ってください。

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