Lower back hip

腰・股関節の痛み

腰・股関節の痛み

腰や股関節は、歩行や姿勢の維持など日常生活に欠かせない重要な部位です。
そのため、負担がかかりやすく、年齢や生活習慣、
運動習慣などによって痛みを引き起こすことがあります。
腰や股関節の痛みは、筋肉のこりや関節の炎症など比較的軽度なものから、
椎間板ヘルニアや変形性股関節症といった病気が原因となるケースまでさまざまです。
痛みを放置すると、動作が制限されるだけでなく、日常生活にも影響を及ぼす可能性があるため、
早めの対処が大切です。
「腰が重だるい」「歩くと股関節が痛む」といった症状が気になる方は、お気軽にご相談ください。

腰の痛み

腰は体の中心にあり、姿勢の維持や動作の支えとして重要な役割を担っています。
そのため、長時間の同じ姿勢や無理な動作、加齢などによって負担がかかりやすく、多くの方が腰の痛みに悩まされています。
腰の痛みの原因はさまざまで、一時的な筋肉のこりや疲労によるものから、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの病気が関係している場合もあります。
痛みを放置すると、悪化して日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対処が大切です。
「腰が重だるい」「動かすと痛む」「長時間座っているとつらい」など、気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

こんな症状はありませんか?

  • 腰を動かすと痛みが走る
  • 朝起きる時に腰がこわばって動きにくい
  • 長時間座っていると腰が痛くなる
  • 寝返りを打つと腰が痛む
  • お尻から足にかけてしびれや痛みがある

痛みの原因

腰は腰椎(5つの骨)と、それを支える筋肉で構成され、体の動きを可能にしています。腰椎の間にある椎間板はクッションの役割を果たし、神経(腰髄神経)も通っています。腰痛や足の痛み・しびれは、主に以下の原因が考えられます。

  • 椎間板の変性: 椎間板が潰れて神経を圧迫する。
  • 腰椎の変形: 骨が変形し、神経の通り道を狭くする。
  • 骨折や骨のずれ: 腰椎の骨折や位置のずれが神経を圧迫する。
  • 外傷: 転倒などによる圧迫骨折や、骨の強度の変化(骨粗しょう症)など。

痛みが続く場合は、専門医による正確な診断が重要です。

ぎっくり腰

「ぎっくり腰」は、急な動作や不意な負荷によって突然発生する激しい腰の痛みを指し、「急性腰痛症」の通称として広く知られています。
その痛みはあまりに突然で強烈なため、「魔女の一撃」と例えられることもあります。
多くの場合、1〜2週間ほどで自然に症状が落ち着いていきますが、痛みが長引いたり、お尻や足にしびれや痛みが広がったりする際には、椎間板ヘルニアなど、他の腰の病気が原因となっている可能性も考えられるため、注意が必要です。

治療法

状態に応じて、ストレッチ、薬物療法、神経ブロック注射などの保存療法を併用して治療を進めます。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は背骨の骨と骨の間にあるクッションです。これが傷つき後方に飛び出す状態が「椎間板ヘルニア」です。
腰椎でヘルニアが起きると、近くの神経を圧迫し、腰痛だけでなくお尻や足の痛み、しびれを引き起こします。「坐骨神経痛」の原因となることが多い疾患です。若い世代に多く見られますが、日常生活の中でも発症することがあります。

治療法

腰椎椎間板ヘルニアの治療は、主に保存的治療と手術的治療があります。神経の炎症が収まれば症状は改善することが多いため、通常は保存的治療が優先されます。これには薬物療法(痛み止め、神経の薬)、理学療法(牽引、運動療法、物理療法)、神経ブロック注射などが含まれます。
ヘルニアが自然に吸収されるケースもあります。保存的治療で改善が見られない場合や、足の筋力低下(運動麻痺)がある場合は、手術を検討します。
手術では、神経を圧迫する椎間板を取り除き、近年では体に負担の少ない内視鏡手術も行なわれるようになりました。

腰部脊柱管狭窄症
(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

腰部脊柱管狭窄症は、加齢や椎間板の変性、骨の変形などが原因となり、腰椎(腰の骨)の中央を通る脊柱管が狭くなることで、内部の神経が圧迫を受ける病態です。この神経への圧迫が、下肢へのさまざまな不調を招きます。
典型的な症状は、歩行中に脚の痛みやしびれが悪化し、ひとたび立ち止まって休息を取ると症状が和らぐ「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。
この他、お尻から太ももの裏側、ふくらはぎにかけての痛みやしびれ、足に力が入らないといった感覚が伴うこともあります。これらの症状は、立位や歩行時に増強する傾向にあり、座位になったり、少し前屈みになったりすることで軽減されるケースが多いです。

治療法

主に保存的治療と手術的治療とに分けられます。保存的治療の目的は、まず苦痛を和らげることにあります。
具体的には、痛みを抑える薬剤の服用、神経の炎症を鎮めるための神経ブロック注射、そして、姿勢の改善や体幹の強化を目指す理学療法などが挙げられます。

これらの取り組みは、腰や下肢の痛みを緩和し、患者様の生活の質を高めることを目指します。
また、腰部への負担を軽減し、症状の進行を抑えるために、コルセットの着用を推奨する場合もあります。
もし保存的治療を続けても症状が改善しない場合や、下肢の麻痺が進行し、通常の生活を送ることが困難になった際には、手術による治療が検討されることがあります。
手術の主眼は、狭まった脊柱管を広げ、神経にかかる圧力を解除することです。

腰椎分離症

腰椎分離症は、腰の骨である腰椎の一部が疲労骨折を起こし、分離してしまう状態を指します。主な症状は、運動中の腰や背中の痛み、そして骨盤周辺への広がりです。
特に、腰を後ろに反らす動作で痛みが強くなるのが特徴です。安静にすると一時的に楽になりますが、運動を再開すると症状がぶり返す傾向があります。
神経が圧迫されることで、足にしびれや痛みを伴うこともあります。特にスポーツをしている小中学生で、2週間以上続く腰痛がある場合は、腰椎分離症の可能性を考慮し、早期の受診が重要です。

治療法

腰椎分離症の治療は、骨がつく可能性(骨癒合)があるか、またはすでにつかない「偽関節」になっているかで異なります。骨癒合を目指す初期・進行期では、スポーツ活動を中止し、コルセットで患部を固定します。約2〜3ヶ月間の運動禁止後、骨の治癒を確認して段階的に運動を再開します。

初期の適切な治療により、高い確率で骨癒合が期待できます。偽関節の場合や慢性的な腰痛には、痛みを和らげる治療が主体です。体操やコルセットで痛みが管理できれば運動再開も可能ですが、腰椎の不安定性から痛みが再発しやすいため、継続的な体操やコルセット着用が大切です。
予防には、成長期のスポーツで腰への負担を避け、全身をバランスよく使う練習や複数のスポーツを取り入れることが有効です。

ごくまれに、痛みが日常生活に支障をきたす場合は、腰椎の固定術や神経圧迫を取り除く手術が検討されることもあります。

股関節の痛み

股関節は、私たちの日常生活におけるほとんどの動きと密接に関わる、非常に重要な関節です。
歩く、座る、立ち上がるなど、何気ない動作にも深く関わっています。
そのため、股関節に異常が生じると、日々の生活動作に大きな支障をきたし、生活の質(QOL)を著しく低下させてしまう可能性があります。
もし股関節に異変を感じたら、できるだけ早く治療を始めることが大切です。
比較的軽度な変形であれば、普段の生活の中でできるケアで症状の改善が期待できることもあります。
しかし、一度生じた骨の変形を完全に元に戻すことは難しいため、それ以上の進行をいかに早く食い止めるか、そして現在の症状を和らげる対症療法が治療の基本的な考え方となります。少しでも違和感や痛みを感じたら、まずは当院で診察を受けてください。

こんな症状はありませんか?

  • 股関節が痛くて靴下を履くのがつらい
  • 股関節の付け根に違和感や不快感がある
  • 歩き始めに股関節が痛むが、しばらくすると和らぐ
  • 足を引きずるような歩き方になってしまう
  • 股関節が硬く、開脚ができない

痛みの原因

股関節に痛みや異常を感じる原因としては、骨折や関節の変形(変形性股関節症など)が考えられます。
また、股関節周囲の筋肉や腱の付着部で起こる炎症も、痛みの一般的な原因の一つです。

変形性股関節症

股関節の軟骨がすり減ることで原因で起こる病気で、特に女性に多いとされています。
生まれつき臼蓋形成不全(股関節のはまりが浅い)がある方は、関節に負担がかかり軟骨の摩耗が起こりやすいといった原因があります。
鼠径部(足の付け根)に痛みがあり、立ち上がりや歩きはじめに医網を感じすことが多く、夜寝ていても痛みを感じ、目が覚めてしまうこともあります。
また足の爪切り、靴下を履く動作でも痛みがでるため、日常生活でも困ることがあります。

治療法

変形性股関節症の治療は、症状の進行度合いに応じて様々ですが、まずは保存的治療から始めます。
具体的には、過度な歩行やスポーツ活動を控えることで、股関節への負担を軽減します。痛みが強い時期には、消炎鎮痛剤を用いて炎症と痛みを抑えたり、リハビリテーションを行ったりします。体重が増えるほど関節への負担は大きくなるため、減量も非常に重要です。
関節に負担をかけずに運動する方法として、水中ウォーキングなどは特におすすめです。痛みが特に強い場合には、関節内に直接注射を行うこともあります。
これらの保存的治療で痛みが改善せず、日常生活に大きな支障をきたす場合には、手術的治療が検討されます。
病状の初期段階であれば、ご自身の骨を温存する骨切り術が選択されることがありますが、病気が進行してしまった場合には、傷んだ股関節を人工の関節に置き換える人工股関節置換術が必要になることがあります。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)は、太ももの骨の先端、つまり股関節を形成する大腿骨頭の一部が、何らかの原因で血流が滞り、骨組織が死んでしまう(壊死する)病気です。
壊死が進行すると、大腿骨頭が潰れてしまい、股関節の変形を引き起こします。壊死の範囲が狭い場合は、特に症状が現れないこともありますが、ステロイド薬の服用や多量のアルコール摂取が発症に関連している場合があります。
典型的な症状としては、急に足の付け根(股関節部)に強い痛みが出たり、夜間にも痛みが現れたりすることが挙げられます。

大腿骨頭壊死症の治療は、病状の進行度合いに応じて異なります。
まず、痛みの管理と病状の進行抑制を目指す方法として、杖を使用して患部に体重がかかるのを避けることが重要です。
これにより、潰れていく骨頭への負担を軽減します。また、痛みを和らげるために消炎鎮痛剤を内服する治療も行われます。壊死の範囲が広い場合、すでに強い変形が進んでいる場合、または今後症状が進行する可能性が高いと判断される場合には、手術的治療が検討されます。

 

インピジメント症候群

インピジメント症候群は、股関節などの関節において、動作中に挟み込まれて(インピンジして)炎症や痛みを引き起こす病態の総称です。
股関節の付け根の骨の形状異常などにより、股関節を曲げたり捻ったりする際に骨同士が衝突し、股関節の痛みや可動域の制限を引き起こすことがあります。

治療法

インピジメント症候群の治療は、まず痛みの緩和と炎症の抑制を目指す保存的治療から始めます。
これには薬物療法、物理療法、そして関節の動きを改善する理学療法(ストレッチや筋力強化)が含まれます。痛みが強い場合は注射も行われます。

大腿骨近位部骨折

大腿骨は転倒したときに骨折のしやすい場所で、日本で年間10数万人の方が受傷されていると言われています。骨折をきっかけに寝たきりになってしまうことも多く、社会問題となっています。
症状として、転倒後に股関節の痛みで歩くことが困難になったり、また転倒した後に無理をして歩き続けることで。徐々に骨折のずれが大きくなり、歩けなくなってしまうケースもあります。通常は早期離床歩行のため手術を行うことが多いです。

よくある質問

Q

腰痛はどのような原因で引き起こされるのでしょうか?

A

腰痛の原因は多岐にわたりますが、生活習慣が大きく影響することがあります。例えば、体重の増加、飲酒や喫煙、運動不足は腰に負担をかけやすい要因です。また、心理的ストレスも腰痛を悪化させることが知られています。長時間のデスクワークなど、腰に負荷がかかる職業や姿勢も原因となりえます。もし腰痛の改善が思わしくない場合は、普段の働き方や生活習慣の見直しも検討してみると良いでしょう。

Q

ぎっくり腰はどれくらいの症状から病院に行くべきですか?

A

ぎっくり腰になった際は、まず無理をせず安静にし、楽な姿勢で様子を見てください。もし2〜3時間ほどで痛みが少し和らいできたなら、ゆっくりと動いてみましょう。
しかし、立ち上がることさえ難しいほどの強い痛みがある場合や、症状が全く改善しない場合は、無理をせず整形外科を受診してください。他の病気が隠れている可能性もあります。

Q

股関節が痛いときはすぐに病院へ行くべきですか?

A

股関節の痛みが日常生活に支障をきたすほど強い場合や、痛みが数日経っても改善しない場合、または徐々に悪化している場合は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。特に、歩くのがつらい、靴下を履くのが困難、夜間も痛むといった症状がある場合は、我慢せずに専門医の診断を受けてください。
早期に原因を特定し、適切な治療を開始することが、症状の悪化を防ぎ、回復を早める上で非常に重要です。