Knee foot
膝・足の痛み
膝の痛み
膝の痛みは、幅広い年代で多くの方が経験される症状です。
若い世代では、スポーツ活動に伴う怪我が主な原因となることがしばしばあります。
一方、年齢を重ねるにつれて、膝関節のクッションである軟骨がすり減り、
関節が変形する変形性膝関節症の発生が増加し、歩行が困難になるケースが見られます。
膝の痛みが進行し、歩くことに支障が生じると、日常生活での活動が大幅に制限され、
生活の質(QOL)が著しく低下してしまいます。
そのため、症状が軽いうちから適切な治療を開始し、
痛みの再発を効果的に防ぐことが極めて重要です。
こんな症状はありませんか?
- 膝が痛くて歩けない
- 膝が変形している
- 膝に力が入らず転びそうになる
- 長時間の移動が困難だ
- 膝が痛くて正座が出来ない
- 立っている時に膝が抜けるような感じになる
痛みの原因

膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(膝のお皿)の3つの骨で構成されています。これらの骨の接合部には軟骨があり、関節の動きを滑らかにしています。
また、大腿骨と脛骨の間には、関節を安定させ、衝撃を吸収する役割を持つ半月板や、内側・外側・前十字・後十字靭帯といった靭帯が存在します。加齢とともに膝の軟骨は徐々にすり減り、進行すると骨が変形して痛みが生じます。
これにより、正座ができなかったり、膝がまっすぐに伸びなくなったりします。膝が腫れたり、熱を持ったりすることもあり、重症化すると歩行が困難になり、O脚やX脚に変形してしまうこともあります。症状が悪化すると、膝周りの筋力も低下し、歩けなくなるケースも少なくありません。
成長期のお子さんによく見られるのは、スポーツをすることで膝のお皿の下あたり、脛の骨に痛みを感じる症状です。これは炎症によるもので、無理をしてスポーツを続けると治りにくくなるため注意が必要です。
また、スポーツ中に膝を急激に捻ったり、コンタクトスポーツで膝に強い衝撃が加わったりすると、膝が腫れて激痛が走り、動かせなくなったり、足が地面につけられなくなったりすることがあります。
このような症状は、半月板や靭帯の損傷、または断裂が原因で起こります。
代表的な疾患
変形性膝関節症
膝関節の痛みの原因として、最も一般的なのは変形性膝関節症です。
この病気は、加齢や過去の怪我などが原因で、膝関節を覆う軟骨が徐々にすり減り、関節自体が変形してしまうことで発症します。
特に女性に多く見られ、年齢を重ねるごとに発症する確率が高まる傾向にあります。症状が初期段階では、立ち上がったり歩き始めたりする際に一時的な痛みを感じますが、しばらくすると落ち着くことが多いです。
しかし、病状が進行すると、階段の昇り降りや正座が難しくなり、末期には膝が完全に伸びきらなくなるなどの症状が現れます。
治療法
変形性膝関節症の治療は、初期段階では痛みを軽減するための保存的療法が中心となります。具体的には、薬の服用、ヒアルロン酸の関節内注射、膝を支える筋力トレーニング、そして膝への負担を減らすための装具(サポーターなど)の使用などが挙げられます。
これらの保存的治療で十分な効果が得られない場合や、症状が進行して日常生活に大きな支障をきたす場合には、関節鏡を使った手術や、骨の形を調整する骨切り術、あるいは傷んだ関節を人工のものに置き換える人工関節置換術といった外科的治療が必要となることがあります。
半月板損傷
半月板損傷とは、膝関節内でクッションの役割を果たす半月板という軟骨組織が、傷ついたり、ひびが入ったり、裂けたりする状態を指します。膝関節は、他の関節と異なり、骨を直接つなぐ筋肉がありません。その代わりに、靭帯や腱、そして半月板が協力し、関節の安定性を保つ重要な役割を担っています。
そのため、半月板が損傷すると、膝を曲げ伸ばす際に痛みが走ったり、膝が完全に伸び切らなかったり、曲がり切らなかったりする症状が現れます。階段の昇り降りや膝の屈伸時に「ゴキッ」という異音がしたり、歩行中に突然膝が「ガクン」と不安定になったり、膝が「ガキッ」と引っかかって動かせなくなったりするなど、非常に多様な症状を引き起こすことがあります。
治療法
半月板損傷の治療は、まず保存的療法から始めます。これには、痛みを和らげ、炎症を抑えるためのリハビリテーション、必要に応じた注射(ステロイドやヒアルロン酸など)が含まれます。
これらの治療で症状が改善しない場合や、膝のロッキング現象など日常生活に大きな支障がある場合は、手術が選択肢となります。手術は、損傷部位を取り除く切除術や、可能な限り半月板を温存する縫合術があり、患者様の状態に合わせて検討されます。
前十字靭帯損傷
膝前十字靭帯(ACL)は、膝関節の安定性を保つ重要な靭帯であり、脛骨が前方へずれるのを防ぎ、膝のねじれを制御する役割を担っています。この靭帯が損傷すると、膝の不安定感や痛みが生じ、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。膝前十字靭帯断裂は、急な方向転換、急停止、ジャンプ後の着地、または直接的な膝への衝撃などにより発生します。特にサッカー、バスケットボール、スキーなどのスポーツ中に多く見られます。受傷時には、「膝が抜ける」「膝がはずれる」「膝がずれる」といった不安定感が生じ、痛みや腫れが現れます。時間の経過とともに症状が改善することもありますが、放置すると半月板や関節軟骨の損傷を引き起こす可能性があります。
治療法
治療法は、患者様の年齢、活動レベル、損傷の程度によって異なります。日常生活で不安定感を感じる方やスポーツ選手などの活動性の高い方には、手術治療が勧められます。
一方、活動量が少ない方や高齢者の場合、装具の使用や理学療法などの保存療法が選択されることもあります。いずれの場合も、早期の適切な対応が重要です。
オスグッド・
シュラッター病
オスグッド・シュラッター病は、成長期に特有の一過性の疾患であり、ほとんどの場合、成長が終了するとともに自然に治癒します。
この期間は、スポーツ活動を控えめにすることが大切です。また、運動の前後には、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)のストレッチや、患部を冷やすアイスマッサージなど、適切なケアを継続することが、症状の緩和と回復を促す上で重要です。
治療法
オスグッド・シュラッター病は、成長期に特有の一過性の疾患であり、ほとんどの場合、成長が終了するとともに自然に治癒します。
この期間は、スポーツ活動を控えめにすることが大切です。また、運動の前後には、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)のストレッチや、患部を冷やすアイスマッサージなど、適切なケアを継続することが、症状の緩和と回復を促す上で重要です。
足の痛み
足は、全身の体重を受け止める基盤であり、極めて大切な部分です。
軽度な損傷でも、それが完全に治癒しない場合、結果として負荷のバランスが崩れたり、
後々多様な問題を引き起こしかねないデリケートな部位と言えます。
治療を終えた後も、各種動作訓練を含むリハビリで本来の動きを取り戻し、
体全体の調和を整えることが重要となる、常に配慮すべき箇所です。
こんな症状はありませんか?
- 足が痛くて歩けない
- 歩くと足の裏や踵(かかと)のあたりが痛む
- 足をひねって、痛みや熱感、腫れがある
- 走ったりすると足首が痛む
痛みの原因

足は小さな骨が集まり、多くの靭帯や腱で支えられている複雑な部位です。筋肉が少ないため、体重や着地時の衝撃を受けやすく、特に怪我のリスクが高い場所と言えます。日常生活でのちょっとした事故やスポーツ中のアクシデントによって、足関節に問題を抱える方は少なくありません。
多くの場合、保存的な治療で対応できますが、強くひねるなどすると、骨折や脱臼といった手術が必要な状態になることもあります。
また、足の裏には縦と横に緩やかなアーチ構造があり、これが体重がかかった際の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。このアーチの形に何らかの異常が生じると、足にかかる負荷が増大し、変形による痛みやバランスの不安定さ、さらには転倒しやすさなど、様々な問題を引き起こすことがあります。
代表的な疾患
足関節捻挫
(足関節靭帯損傷)
足首を内側にひねることで、外側の靭帯が損傷することが多いです。
症状として、外くるぶしの前や下に痛みや腫れ、熱感が生じてしまったり、重症度により靭帯の伸び、部分断裂、完全断裂に分類されます。場合によっては骨折を伴うこともあります。
治療法
基本的な治療は、安静、アイシングや、装具や弾性包帯などで圧迫やギプスによる固定、足を心臓より高くすることです。
症状に応じて、消炎鎮痛薬の服用や物理療法を行い、理学療法士によるリハビリテーションで、筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力トレーニング、日常生活やスポーツにおける動作指導を行い、症状の改善と再発予防を図ります。
靭帯が完全に断裂し、足首の不安定さが強い場合は、手術が必要になることがあります。
足底腱膜炎
足底腱膜炎は、足の裏に広がる線維組織である足底腱膜に炎症が生じる疾患です。スポーツや立ち仕事などで足底に過度な負荷がかかることが主な原因です。症状として、足の裏やかかとに痛みが生じ、つま先立ちやかかとを着くと痛むことがあります。歩き始めは痛みが強くても、歩行を続けると痛みが軽減するのが特徴です。
治療法
「痛みを軽減させる治療」と「足の裏への負担を軽減させる治療」を並行して行うことが大切です。
治療法には、薬物療法やインソールを使用する装具療法、リハビリテーション、必要に応じて注射を行います。
理学療法士が痛みの軽減や運動機能の回復を目的としたリハビリテーションを指導します。
外反母趾
外反母趾は、足の親指が外側に曲がり、付け根の関節が内側に突出して痛みを生じる疾患です。合わない靴、特にハイヒールの着用が主な原因で、中高年の女性に多く見られます。
症状として、親指の付け根が飛び出し、歩行時に靴と擦れて痛みが増します。腫れや赤み、足裏にタコができることもあります。
治療法
外反母趾による足の変形は、残念ながら自然に元に戻ることはありません。そのため、痛みがある場合は、その緩和と進行の抑制が治療の中心となります。
具体的には、パッドや装具(インソールなど)を用いて足への負担を軽減します。痛みが強い時には、消炎鎮痛薬の服用や物理療法(温熱療法や電気治療など)を行います。また、普段履いている靴やインソールの見直しは非常に重要で、足に合ったものを選ぶことが症状の悪化を防ぎます。
当院では、理学療法士によるリハビリテーションも実施しています。ここでは、足や足首周りの筋力や柔軟性を高めるためのストレッチや筋力トレーニングを行います。さらに、日常生活における正しい動作や歩き方の指導を通じて、症状の改善だけでなく、再発予防にも力を入れています。
偏平足
偏平足(へんぺいそく)は、足の裏にあるはずの土踏まずが失われ、足の裏全体が平らになってしまう状態を指します。この状態になると、足の内側のくるぶし周辺や足裏に痛みが生じやすくなり、特定の場所に負担がかかることでタコができやすくなることもあります。
さらに、足のむくみや疲れやすさを感じたり、ひどい場合には歩行が困難になったりすることもあります。ただし、幼児期からの偏平足や、症状のごく初期段階では、自覚症状が出にくいことも少なくありません。
治療法
偏平足の治療では、まず足への負担を軽減し、痛みを和らげることを目指します。
具体的には、インソール(足底板)などの装具療法を用いて、失われた土踏まずをサポートし、足のアーチ構造を矯正します。また、普段履いている靴や靴下を見直すことも非常に重要で、足に合った適切なものを選ぶ必要があります。
痛みが強い場合には、消炎鎮痛薬の服用や、温熱療法・電気治療といった物理療法を行います。さらに当院では、理学療法士によるリハビリテーションを通じて、足や足首周りの筋力や柔軟性を高めるためのストレッチや筋力トレーニングを実施します。日常生活における正しい動作や歩き方の指導も行い、症状の改善と、将来的な足のトラブルの予防を図ります。
よくある質問
- Q
階段を降りると膝から音がしたり痛みがあるのですが?
-
A
膝関節の音自体は問題ないケースもありますが、もし痛みやだるさ、違和感を伴う場合は、膝に何らかの異常がある可能性が高いです。特に階段を降りる動作は膝に大きな負担がかかるため、その際に音が鳴ったり痛んだりするのであれば、膝のお皿の周りの変形性膝関節症やタナ障害といった疾患が考えられます。
早めに整形外科を受診し、詳細な検査を受けることをおすすめします。 - Q
膝を伸ばすと痛いのに、他の医院で異常なしと言われたのですが?
-
A
レントゲン検査で膝の骨自体に異常が見られなくても、痛みの原因が隠れている可能性は十分にあります。レントゲンには、軟骨や半月板といった組織は写りません。そのため、軟骨のすり減りによる変形性膝関節症の初期段階であったり、靭帯や半月板の損傷が痛みを引き起こしていることも考えられます。より詳しい状態を把握するために、MRIやCTなどの精密検査を受けてみることをおすすめします。
- Q
歩いていると次第に足が痛くなるのですが、何かの病気ですか?
-
A
安静時や歩き始めにはほとんど痛みがないのに、一定の距離を歩くと足の痛みやしびれが強まり、立ち止まって休むとまた症状が改善するという症状は「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれます。この症状を引き起こす代表的な病気として、血管が狭くなる「末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)」や、神経が圧迫される「腰部脊柱管狭窄症」が挙げられます。どちらも早期発見・早期治療が重要ですので、心当たりのある場合は専門医にご相談ください。